フローラルデザイン・パレットで制作された作品集です。
フローラル・コラージュ
コラージュとは、現代絵画の技法のひとつで『糊付け』を意味する言葉です。
20世紀の初頭、ピカソやブラックは、絵の具のほかに様々な素材を画面に貼りつける『コラージュ』や『パピエ・コレ』の方法を駆使して、自由な画面を構成するようになりますが・・
こうして、絵画は『描かれる』というよりは、もはや『作られる』ものとなっていきました。
『フローラル・コラージュ』は、植物素材を用いることが第一条件となりますが、あとは自由な発想で思いのままに好きなものを貼りつける『フラワーデザイン』のカテゴリーのひとつとなります。
細かい銀紙がちりばめられた『白地の和紙』の上に『黒い和紙』をはり、その上に6つのコラージュ作品を配しました。
小さな片もすべて植物素材で、白樺の皮やドライの葉っぱやスパイスをつい、小さな長方形は横4㎝×縦6㎝、小さな円と正方形は直径6㎝と6㎝四方になっています。
有機的なものを幾何学的にデザインしながら『和のテイスト』と『個性的な世界観』がかもしだされる6つの小さなコラージュを組み合わせてみました。
↓以下は、生徒さんの作品です。
ドライフラワー(花、葉っぱ、枝物)、色んな種類の葉っぱ、白樺の皮、羽、和紙、段ボール、粗めに編んだ麻布、英字新聞、スパイス、ラフィア赤・黄・天然色(食物繊維)を用意しました。
それぞれに 思い思いに自由に『自分らしさ』を表現していただいたコラージュは、とても楽しい作品となりました。
一つの作品でも作品の向きをタテ・ヨコや天・地を変えることで、作品の印象がガラッと変わって見え、コラージュの魅力は尽きないとも言えます。
インテリア・グリーン
テーブルヤシの苔玉と水栽培のヒヤシンスです。
苔玉は、根腐れしにくい土でテーブルヤシの根をおおい、そこにホームセンターなどで売られている水苔を細いワイヤーでクルクル巻きにしながら丸い形に仕上げていきます。
小さなヤシですが、そこに大きな樹を思い浮かべることもでき、空想の世界にいざなわれます・・。
ヒヤシンスの球根から、芽がでて、やがて小さなつぼみがつき、花が咲き出すと、すごくいい香りがあたりに漂い、毎日の成長を眺めるのが楽しくなります!!。
成長したエアープランツのツルを手作りしたリースにからみつけることにより、空中でもグリーンを楽しめます。
鉢のブドウの絵は、もともと鉢にレリーフしてあったものですが、あまり目立たなかったので、アクリル絵の具でペイントしました。これで、鉢の絵柄も楽しめるようになり、自分らしい『インテリア・グリーン』になりました。
シロタエギクは、光の方に枝をぐ~んと伸ばして力強い『生命力』を感じます。伸ばした枝の先に『命』を表現したオブジェを配しました。
大工さんからいただいた木材にヤスリをかけてから、絵具でペイントすることでオブジェになります。
何度も・何度も色を重ねることで自然の風合いをだすことができます。
このような植物素材で創るオブジェも『フラワーデザイン』のカテゴリーのひとつになります
100均で購入した籠のなかに、スーパーで売られている果物などが入っていたパックをいれ、そこにお好みの苗のポットをそのままいれているだけですが、寄せ植えしているようにみえますよね。
花の時期にあわせて苗を変えることも楽にできますので、そのときどきの季節のお花を楽しむことができます。
光がたっぷり入る窓辺に置くと、お花は次から次へと咲き、葉っぱも元気でイキイキとしてくれます。
お花がすべて咲くと、白バラ、ヒヤシンス、ジャスミンの白のグラデーションが清々しく、なんといっても香りが素晴らしいのでゴージャスな気分を味わうことができます。
こちらのように、いろんな色や形の葉物をあれこれ盛り合わせることで、家のなかにいながらお庭の風景を楽しんでいるような雰囲気をつくりだすこともできます。
できたら、お花はあまり大きくないお花を数種類あしらった方が楽しくなりますし、葉物は個性的なものを入れることでググッとおしゃれ度がアップします。
バックに小さな柵(100均で購入)を配することで、より一層、お庭感を楽しむことができます。
ドイツ・ヨーロピアン
ドイツ・ヨーロピアンは、お花の特性や素材感をとてもたいせつにしているドイツのフラワーデザインです。
フラワーデザインというと、イギリスのフラワーアレンジメントのイメージが強いかと思いますが、ドイツ・ヨーロピアンは、日本の華道にもつうじる『自然感』をたいせつにしているフラワーデザインです。
そのなかでも、わたしが好きなスタイルを載せています。
構造的・・
それぞれの植物がもっている材質感をお互いに引立てあうように、表面構造を表現する装飾的なデザインです。
共同形態・・
群生する植物の特性を表現する植生的なデザインです。
クランツ・シュトラウス・・
クランツ(リース)をほぐしドーム状に盛り上げたところに、茎のやわらかな花や葉物がツルにからんでいるようにスパイラル(螺旋状)に束ねるデザインです。
シュトラウスは、花束を意味します。
絵のような・・
ベルギー・オランダのフランドル派の花の絵画にあるような、多種多様な花が、華麗に豊かに戯れるようにお花を表現するデザインです。
植生的・・
自然の植生をイメージできるように植物の配置を理想化し、あたかも地面から生えいるように植物を表現するデザインです。
巻かれたもの・・
内に入りこむ花や植物、外にふりだす花や植物によって、植物素材が巻かれているような造形を表現するデザインです。
プティ・デザイン・・
小さな花や植物をつかい、普通サイズのデザインと同じ技巧により、ミニチュアを表現をするデザインです。
和むお花
簡単に挿しただけのお花たちですが、わたしのお気に入りでずっと見ていても飽きず、和ませてくれる『花あしらい』です。
小さなバラみたいなお花と小さなつぼみが愛らしい・・
葉っぱの色味が見飽きない・・
利休草の優美なラインと白い花たち・・
マトリカリアのクネクネの姿と香りに癒される・・
水色と瑠璃色のビー玉の上に浮かんだ紫陽花、見ているだけで『涼』をおぼえる・・
色んな種類のお花でできているリース(クランツ)・・
どのお花も誇らしげに美しく輝き、それぞれの役割を果たしている姿に『調和』を感じます。
『リース』には『永遠』といういう意味がこめられていますが、こんな『リース』を眺めていると『調和ある楽園』が永遠につづきますようにと祈りたくなります🕊。
器も自分で造形することで、より『自分らしい』フラワーデザインを楽しむことができます。
100均で木材とワイヤーを購入し、まずは台をつくります。このとき、試験管が安定するように木の底を少しだけ削り『くぼみ』をつけることで試験管がまっすぐ立つようになります。
あとは、ワイヤーをかけて試験管をしっかり固定させると『花立て』の完成です!!。
ラナンキュラスは「どれだけ花びらが重なっているの?」という感じで、愛らしくてずっと見入ってしまいます。
カラフル元気色のお花たち、見ているだけで元気がわいてくる・・